今年の10冊

今年(2014年12月〜2015年11月)出版された書籍から10冊を紹介します。

1.百田尚樹『殉愛』の真実

百田尚樹『殉愛』の真実

百田尚樹『殉愛』の真実

 この本が今年の私的ベストでした。他を寄せ付けない取材と文筆力に圧倒されました。これぞノンフィクションという見本です。内容的にも、百田尚樹氏のウソを木っ端みじんに論破しています。この話し、まだまだ何か怪しいことが出てきそうです。

2.障害者殺しの思想

障害者殺しの思想

障害者殺しの思想

 横田弘さんの復刊本です。健全者社会への痛烈な批判、障害者自身に対する意識の覚醒など、いまこそ読まれるべき本です。「あってはならない存在」から社会に向けた強烈な問いかけです。

3.民を殺す国・日本: 足尾鉱毒事件からフクシマへ

 これぞ倫理学者のやるべき仕事だという典型です。膨大な資料を基に、とくに公害の歴史から、日本が歩んできた道を「無責任社会」であると断じます。小さな声に寄り添い、歴史を再構成していくこともまた、倫理学者の仕事であってよいはずです。

以下、順不同で印象に残った書籍です。

おーい!おーちゃん!―自閉症の弟と私のハッピーデイズ

おーい!おーちゃん!―自閉症の弟と私のハッピーデイズ

人間の尊厳と人格の自律: 生命科学と民主主義的価値 (叢書・ウニベルシタス)

人間の尊厳と人格の自律: 生命科学と民主主義的価値 (叢書・ウニベルシタス)

末期を超えて -ALSとすべての難病にかかわる人たちへ-

末期を超えて -ALSとすべての難病にかかわる人たちへ-

日本が“核のゴミ捨て場”になる日 震災がれき問題の実像

日本が“核のゴミ捨て場”になる日 震災がれき問題の実像

僭越ながら、私も単著1冊、共著1冊を出版していただきました。

大震災の生存学

大震災の生存学