反原発と障害者差別――AERA最新号より

AERA2011年8月29日号に、次のような記事が載っているらしい(本体未読)。
「ふつうの子供産めますか――福島の子どもたちからの手紙」
http://www.aera-net.jp/summary/110828_002539.html

このようなタイトルをつけた人は、いったい何を考えているのだろう。推測するにおそらく、「ふつうの子供」ではない子どもと想定されているのが、障害をもって生まれてくる子どもである。

「子どもが障害をもって生まれてくるから原発反対」、よく言われそうなことだ。実際、チェルノブイリ原発事故以前からこうしたことは言われたりしている。だが、これは原発反対の論理を、障害者差別にすりかえる悪質な手口である。もっと言えば、原発反対の主張を、障害者が生まれることを忌み嫌う思想を再生産することによって成立させようとしているのだ。

私は原発反対であるが、こうした言い方は常々おかしいと考えている。今回、AERAのような影響力の大きいと思われる雑誌にこのような表象がなされたことに対して、私は断固抗議する。種々の差別のうえにしか稼働しない原発に反対する論理に、障害者差別が含まれていてよいわけがないのである。