雑記

「共倒れ」社会を超えて――生の無条件の肯定へ!

本書は、現代社会において起きてしまっている「共倒れ」という現象について、とくに障害者とかかわる人たちの現場を想定しつつ、そうならないようにするための倫理学的分析を行ったものである。障害者問題を犠牲の問題として捉え直すことで、解決に向けた考…

生を肯定する倫理へ――障害学の視点から

本書は、障害者の生をその起点としながら、「生を無条件に肯定する」倫理学を模索しようとするものである。

「生の無条件の肯定」に関する哲学的考察 : 障害者の生に即して

本論文は、障害者が社会において生きるということについて哲学的に考察することを目的とする。すなわち、障害者が生きるということに対して、主に思想の側面から光を当てようとする試みなのである。現代社会の中で、障害者の生を十全に肯定するためには、「…

成年後見制度利用促進法案の拙速な成立に反対します

成年後見制度利用促進法案(以下、「促進法案」)は、24日、衆議院で自民党、公明党、民主党などの賛成で可決されました。今月にも、参議院を通過するものと言われています。私は、この「促進法案」の拙速な成立に反対します。以下、その理由を述べます。

障害者の立場から「戦争法案」に反対します

私は、身体に障害を持つ者です。今国会で議論され、すでに衆議院では可決されてしまった「安全保障関連法案」(以下、法案の意図を汲み取り「戦争法案」と略します)に、私は、障害者の立場から反対します。以下に、その理由を3つ挙げます。

博士学位論文を公開しました

8年前のものですが、学位論文をネットで公開してみました。野崎泰伸(2007) 「「生の無条件の肯定」に関する哲学的考察――障害者の生に即して」(大阪府立大学博士学位論文) https://www.dropbox.com/s/iw5uvkxeki2ge08/%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E8%AB%96%E6%96%8…

朝日新聞に拙著の書評が掲載されました

朝日新聞4月26日付書評欄に、拙著が掲載されました。評者は武田徹さんです。どうもありがとうございました。「共倒れ」社会を超えて—生の無条件の肯定へ! [著]野崎泰伸 [評者]武田徹(評論家・恵泉女学園大教授) [掲載]2015年04月26日 [ジャンル]社会 http…

単著刊行のお知らせ

2015年3月11日、私の2冊目の単著となります『「共倒れ」社会を超えて――生の無条件の肯定へ!』が筑摩書房から刊行されます。ご関心のある方は、ぜひ手に取っていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。「共倒れ」社会を超えて: 生の無条件の肯定…

今年の10冊

理性の暴力~日本社会の病理学 (魂の脱植民地化 5)作者: 古賀徹出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2014/01/28メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)作者: 仁藤夢…

「生き地獄を生きろ」などと言っているわけではない

「生き地獄を生きろという権利が誰にあるか」 http://blogos.com/article/98489/を読みました。タイトルに端的に答えておきましょう。そんな権利、誰にもあるはずがありません。もちろん、この著者もそういう答えを期待して書いているはずですが。問題は、児…

安楽死と尊厳死の違い――それがどれほどの「違い」か

ブリタニーさんの死をめぐって、にわかに「安楽死はダメだが、尊厳死はオッケー」というような論調が見受けられます。いまに限ったことでもありませんが。ここでは、それらの「違い」について、批判的に検討していきたいと思います。日本尊厳死協会のホーム…

そんなに尊厳死がよいのか

「尊厳死について…多くの死を見てきた医療従事者たちのコメントが心を打つと反響」 http://labaq.com/archives/51837879.htmlを読みました。タイトル通り、掲示板での「海外の医療や医学に携わる人々の意見」が寄せられています。

今年の10冊+3冊

2012.12〜2013.11に発売され、その期間に買った本のうち「これ」と思った本です。最近、「これ」と思った本しか買ってはいませんが。1.〈脱成長〉は、世界を変えられるか――贈与・幸福・自律の新たな社会へ〈脱成長〉は、世界を変えられるか――贈与・幸福・…

東京新聞2月3日付「時代を読む」を読む

貴戸理恵さんの「若者の生きづらさは財産」という記事ですが、私はたいへん違和感を持った。

生まれてすぐに補償されるべきいのちとは何か――産科医療補償制度の問題点

2009年1月1日に始まった産科医療補償制度に関して、その概要と見落とされがちな問題点について触れておきたいと思います。

拙論拙著への言及

立岩さん、堀田さん、ありがとうございます。差異と平等 障害とケア/有償と無償作者: 立岩真也,堀田義太郎出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/05/24メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (5件) を見る ★12 選別主義に普遍主義を対比させる…

「作田啓一『欲動について』」について

今日買った2冊があまりにも(ダメすぎて)面白すぎると思ったので、メモしときます。 まずは、作田さんの本の、那須さんとの会話。

抜書

非常に大事な点であるので、長いが抜書しておきたい。山田真医師の講演後、会場からの質問に答える山田さんです。小児科医が診た放射能と子どもたち (わが子からはじまるクレヨンハウス・ブックレット)作者: 山田真出版社/メーカー: クレヨンハウス発売日: 2…

拙稿紹介など

部落解放 2012年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: 解放出版社発売日: 2011/12/20メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る月刊『部落解放』2012年1月号 655号 http://www.kaihou-s.com/bl/bl_mokuji/bl_201201.htmに、「「障害者が生ま…

今年の10冊

今年はよい本がたくさん出ていますので、10冊に絞りきれませんでした。 なお、私の読書暦は2010年12月〜2011年11月です。関西障害者運動の現代史―大阪青い芝の会を中心に作者: 定藤邦子出版社/メーカー: 生活書院発売日: 2011/04/01メディア: 単行本購入: 1…

たんに生きることだけをまずは肯定する社会へ(草稿)

生を肯定する倫理へ―障害学の視点から作者: 野崎泰伸出版社/メーカー: 白澤社発売日: 2011/06/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 96回この商品を含むブログ (14件) を見る拙著を20分〜30分で説明できるよう、要約しました。本来ならすべて読んでい…

極私的震災体験

9月11日に研究会、10月1日に学会大会で阪神淡路大震災のことを話さないといけないのですが、そのときのために自分自身の被災体験を書きました。両日とも、ここまで詳しくは話さないとは思います。なお、ひとの震災体験というのは、とてもナイーブに響くもの…

反原発と障害者差別――AERA最新号より

AERA2011年8月29日号に、次のような記事が載っているらしい(本体未読)。 「ふつうの子供産めますか――福島の子どもたちからの手紙」 http://www.aera-net.jp/summary/110828_002539.htmlこのようなタイトルをつけた人は、いったい何を考えているのだろ…

『語りかける身体――看護ケアの現象学』

語りかける身体―看護ケアの現象学作者: 西村ユミ出版社/メーカー: ゆみる出版発売日: 2001/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る西村ユミ『語りかける身体――看護ケアの現象学』(ゆみる出版、2001)読んだ。正直、…

極限状態に置かれた個人の「主体性」について

(以下、草稿)はじめに この世界をいくら不条理であると感じたとしても、生きている限りにおいてはこの不条理に感じられる世界を生き抜いていかなければならない。この社会がいくら不正義であるとしても、生きている限りにおいてはこの不正義な社会を生き抜…

倫理学とはどういう学問か

■倫理学のイメージ ■倫理学は処世術ではない ■倫理学とは「他者とともに幸せに生きる」ための学問

原発反対と障害者

私は原発反対である。ただ、このところの論調を見ると、やはりというか、憂慮すべき事態が起こっている。それは、「妊婦への被ばくが、胎児に悪影響を与える」という原発反対の理由である。たとえば、日本産科婦人科学会が出した文章がある。福島原発事故に…

高木仁三郎『原発事故はなぜくりかえすのか』

原発事故はなぜくりかえすのか (岩波新書)作者: 高木仁三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/12/20メディア: 新書購入: 18人 クリック: 350回この商品を含むブログ (113件) を見るhttp://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-430703-1 品…

参考になるのではないかと思われるサイトのご案内

メールマガジンより回ってきた、被災障害者支援関連サイトです。・(日本自閉症協会)防災ハンドブック http://www.autism.or.jp/bousai/index.htm・(日本自閉症協会)「東日本大震災」支援専用ページ http://www.autism.or.jp/cgi-bin/saigai/・(医学書院)災害…

東北地震・障害者への支援など情報

CILたすけっと(仙台市内の自立生活センター) http://blog.canpan.info/tasuketto/archive/110被災障害者支援 ゆめ・風基金 http://homepage3.nifty.com/yumekaze/被災地NGO恊働センター http://www.pure.ne.jp/~ngo/東北地方太平洋沖地震・津波 救援レ…