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動物の解放 改訂版

動物の解放 改訂版

訳者の戸田清による解説。

私自身は、一九八六年以来述べているように、人間と動物の関係の見直しは必要と思うが、シンガーの動物思想と人間観には必ずしも賛成しない。彼の動物思想・人間観は優生思想と一体である。人間の「脱神聖化」とは、門下のヘルガ・クースとの共著(一九八五年)に明らかなように、障害胎児の選別的中絶、障害新生児の選別的安楽死を肯定することである。ここでいう障害とは、知的障害、あるいは知的障害と身体障害の合併である。シンガーは、健常な哺乳類(特に類人猿など)は重度障害者よりも生命の質がすぐれていると繰り返し示唆している。ドイツでの事件もシンガーの優生思想(ホロコースト犠牲者の孫であるシンガーの障害者差別だと言われた)への反発によるものである。(p.353)

私も、この戸田の意見にまったく賛成である。